臍ヘルニア
放置するか圧迫するか、いまだに議論があります。両者を比較したデータが学会雑誌に載ったりしますから、古くて新しいテーマなんでしょうね。大方の意見は、圧迫してもしなくても治癒率は同じ。ただ、圧迫したほうが早く治るとか、きれに治るとかの意見もあります。たしかに自然治癒すると皮膚が大きく余って、「出べそ」のようになります。でもさらにこれを何年も経過を見て下さい。小学校に上がるくらいになるとほとんど普通になりますよ。
巨大臍ヘルニアには鬼塚法などのいろいろな美容形成的な工夫が必要です。これが案外、難しい。「美」を作るっていうのはセンスなんでしょうか?僕も若いころはそれなりに文献を読んで美しく作りましたが、最近ではこれって形成外科医の仕事かなと思うようになりました。患者さんのニーズもそこらあたりにあるようですし。
おそらく、今後も巨大ヘルニア症例に対しては色々な術式の工夫が編み出されると思います。小児外科医と形成外科医で競い合って美しいお臍を作ってもらいたいですね。